友人は心配でした。
事故が起きたら。
病気になったら。
無理だ。
いや、たとえ出来ても、そうはさせたくない。
「課長に呼ばれたら、待って下さい、と言おうと思うの」と彼女は言いました。
下の子が小学校にあがるまで。
しかし、「民営化」のねらいは「利潤の追求」でしょう。
公社時代とは違ってくるはずだ。
それに不可欠なのが「効率」。
そうなれば、たぶん、人を待ってはくれまい。
「子育て中の女なんて、われながら非効率の典型だもの」朝刊を開く。
求人欄に目を走らせる。
「女子社員募集」の文字を拾おうとして、ちっとも集中できないでいる自分に気付く。
15年間守って来た場所を離れたくないのです。
そういう思いが、膜を作って視界をふさぐ。
待ってほしい、あと3年・・・と思うのでした。